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シリーズ!AI×Z世代 UK ver.#15

AIのいる社会

インタビューに答えてくれたのは、将来医者になるのが夢だという12歳の女の子、Oさん。アレクサを普段から利用しているほか、学校でプログラミングを学んでおり、テクノロジーに親しんではいるものの、AIについては詳しくないそうです。そんな彼女が、自らが生きていく、理想の社会を語ってくれました。

「AIについてはよく知らないので、、人間の脳のようなビジュアルをしているイメージです」

AI、ロボットに対する彼女のイメージは、AI≒人間の脳、ロボット≒ブリキのロボットというイメージのようです。AIに対してはソフト、ロボットはハードという捉え方でした。

彼女はAIをまだ信用しきれていないようでした。その理由は、AIに関してまだ十分な知識がないからだそうです。同じような理由でAIに対しあまりよくないイメージを抱いている方は多いのではないでしょうか。

そんな彼女の理想のロボットは、この写真のようなロボットでした。

「ロボット」と言われて真っ先にイメージするような、ステレオタイプなロボットですが、彼女曰くロボットのおなかのあたりの扉を開けるとタッチパッドになっていて、それに指令を入力するとその家事(掃除など)を行ってくれるような身の回りの世話を行ってくれるものらしいです。一般的なロボット掃除機のようなフォルムではなく、目や手、口など人間に近いフォルムでイメージしているのが印象的ですね。無機質なロボットよりも、人に近いフォルムをしていた方が親しみを持てるようです。家の中で使うことを想定しているのも理由かもしれませんね。

彼女の夢は医者になること、というわけで病院や、個人の健康とAIのかかわり方について聞いてみました。

彼女が求めるAIの機能の一つに、人間の健康をモニタリングしてくれる、というものがありました。アレクサを普段から使用している彼女は、AIが使用者の体調を毎日モニタリングすれば、何か異常が起きた際にいち早く気づくことができると考えたようです。AIスピーカーが身近な存在である、彼女らしいアイデアですね。

また、病院におけるAIの利用についても、彼女なりの考えを話してくれました。

「手術はロボットではなく人間が行うべきだと思います。ナースも、人間の方が安心するかも」

医者を目指していることも、この意見に大きな影響を与えてはいると考えられますが、彼女の口ぶりからはやはりAIを信用できていない、という想いが感じられます。人の生命に直接関わる部分だからこそ、人間に担当してほしい、というのが彼女の考え方のようです。

一方で、老人が相手の場合はその限りではないと考えているようです。老人は今の若者ほどテクノロジーに親しんできたわけではなく、そうでない人たちはロボットによる世話も受け入れられると考えているようです。

しかし、医者やナースの仕事は人間に担当してもらいたいと考えてはいるものの、実際にはそうはならないかもしれないとOさんは考えているようでした。特にナースの業務はロボットにも代用可能かもしれないと考えているようです。

「医者のアシスタント業務ならばロボットにも可能かも知れないです」

医者以外はどうでしょうか。例えば彼女は、クリエイティブな仕事(芸術家、漫画家等)はロボットやAIにはできないと考えていました。感情などが重要になる作業はAIよりも人間の方が優れていると考えているようです

一方で、AIを導入すべきだと考えている職業もありました。AIの利点として、一度教えたことを忘れないことを上げており、そういった点が活かせる職業はAIが行うべきと考えているようで、AIの同僚も問題ないと考えているようでした。

まだ12歳という若さのOさんが大人になる社会には、間違いなく今よりもさらにAIやロボットたちがあふれているでしょう。彼女の夢は医者ですが、自分がなりたい職業がAIによって取って代わられるかもしれない、という不安はおそらく若者世代の誰もが抱いていることと思われます。彼女は「AIをよく知らないから怖い」と発言していました。私たちの漠然とした不安感も、AIへの無理解から来ているのではないでしょうか。「怖い」と感じるものを怖いから遠ざけるのではなく、歩み寄り理解すれば違う価値が見えてくるかもしれません。

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