arrow twitter facebook twitter

シリーズ!AI×Z世代 UK ver. #16

人間同士のつながりを手助けするAI

ニナさん(女性・仮名)は、ロンドンの博士課程の学生です。彼女は、AIロボットを利用していく上で人間とのバランスが必要だと答えてくれました。人間同士の繋がりが強く大事な部分であって、AIロボットは、それを手助けするものにすぎないと考えています。

また、ロボットに愛情がありますか?と聞くと、大事なたまごっちを見せてくれました。彼女が8歳の頃から大事にしているものだそうです。

ニナさんが考える2050年

2050年にどうなっていたいですか?と質問すると、ニナさんはこう答えます。

「2050年には53歳になります。将来は田舎の方でいい家に住んで、デザイナーとして仕事がしたい。」

機能的な都心に住むのではなくて、自分自身は広々とした田舎、すなわち自然と一体となったような家にしたい。と答えてくれました。また、AIによって人々がより働く負担が緩和され、自分自身が追求するための時間や、人同士が関わり合う時間が増えるメリットも多いと考えているようです。

ニナさんの欲しいロボットのイラストも描いてくれました。

「私は仕事や勉強に多くの時間を費やしたいので、食事を準備したり、家をきれいにしたりするようなロボットがいたら便利だと思う。」と答えてくれました。あくまでも自分のやりたいことをサポートするためのロボットであるという位置付けです。今現在でも利用されているようなお掃除ロボットや、食事のメニューを考えてくれるようなAIに近いものだと感じました。

AIと生活

今人間が行っている仕事にAIが就くことについて、ニナさんに質問をしました。

例えば、接客などのサービスについてです。「人間の繋がり」を強く大事にするニナさんは、「人間の会話においては、小さな挨拶などのコミュニケーションが大事です。そういったことをロボットができるかどうか、それを考える必要がある」と答えてくれました。「私は仕事に行く時に喫茶店に行くのですが、知人のオーナーにおはようと挨拶します。これは私にとって良い1日の一部です。」このような人間同士のコミュニケーションの楽しみは無くなってほしくはないそうです。しかし、払い戻しや商品の交換などのはっきりとした目的と対応がある場合においては、最初にAIが担当し、回答が得られない場合は人間に接続する。機能的な面において、一部の分野では活用するメリットがあると答えてくれました。

AIに仕事を「奪われる」ことは不幸か?

「仕事はお金を稼ぐためではなく、楽しむものでなくてはならない。」ニナさんはこう語ります。「仕事は人生において多くの時間を費やすので、楽しんでいないまたは成長できない場合は、別の仕事を見つけるべきです。例えば配達がロボットやドローンで行われることで、仕事を奪われると恐れる人々も多いが、ロボットによって実際に人々がやりたい仕事に就ける。それによって社会の幸福度を高められるのではないかと思います。」

私が日本でインタビューを行った時、仕事はAIに奪われるから、奪われないような仕事を選びたいまたは選ばなくてはならないというネガティブな意見を多く聞きました。ニナさんの意見は、AIに「奪われる」という考えではなく、自分のやりたい仕事をするためにAIに仕事を「代わってもらう」というもので、そのポジティブな考え方が個人的に新鮮でした。

彼女の考える2050年の社会は、AIに奪われうる、支配されうるというネガティブな未来ではなく、人間のために、必要のない仕事ややりたくないことをAIに任せる、アシストしてもらうというものでした。人間のコミュニケーションを大事にし、好きなものに集中し人と会ったり話したりする時間を取れるようにする。そして、AIを人間のように考えたり、万能の機械と捉えて全てのことを任せたりするのではなく、今現在コンピュータやスマートフォンが私たちを手助けしてくれているように、2050年も私たち人間を「手伝ってくれるもの」と考える。ニナさんのように、AIによる影響やリスクを考えるばかりではなく、私たちが何を大事にして、そのためにAIをどう活用したいかを考えることが大切なのかもしれません。

SHARE