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シリーズ!AI×Z世代 UK ver.#21

ロボットは人間のアシスタント

「社会としてはこれ以上のテクノロジーの発展を望んでいない。ロボットが人間の代わりに色々なことをやるようになってしまうのに反対。」

こう語ったのは、ロンドンの小学校に通う10歳の女の子。彼女はAIのリスクをしっかりと考えていて、その上で理想のA Iの利用と2050年の社会について話してくれました。

ロボットのイメージ

ロボットと聞くと、機械的なものだけではなく、人体模型のようなものも思い浮かぶと言います。以前読んだ本に出て来たロボットが人間に近い顔の特徴や、指、関節を持っていたそうです。ロボットに対する恐怖心や、人間との差異の必要性はあまり感じていないようです。家にはアレクサがあり、音楽を聴いたり質問したりするのに利用しているそうです。

ロボットに期待すること

「体調が悪いときに、どこが悪いのかを簡単に教えてくれるものがあったらいいなと思います。」

「年配の方の場合、体の一部が不自由だったり、年をとっているためにあまりできないことがあれば、ロボットが料理を手伝ったり、2階への移動を手伝ったりと、かなり助けになると思います。」

「AIを使って空気をきれいにするロボットがあったら、それはとても便利ですね。」

彼女は、体調管理やお年寄りの手助けをするロボット、環境のためのロボットには賛成だそうです。セルフレジや通訳、事件や火事など人間の命の危険がある状況にもロボットが使用されるべきだと考えています。ものを運んだり、人間にはできないことをしたり、人間のアシスタントとしての役割を担ってほしいそうです。一方で、メンタルケアや子供の世話、病院での患者さんとの会話など、人と多く接する部分は心を持った人間が対応すべきだと考えているようです。

ほしいものを持ってきてくれるロボット

そんな彼女がほしいのは、ほしいものを持ってきてくれるロボットだそうです。

「このロボットは、基本的には指示されたものを集めて回るだけのロボットです。つまり、プラスチックかもしれないし、何か落としたものかもしれないし、あなたが何かを探していたら、それを感知して取りに行くかもしれない。拾えと言われたものは何でも拾います。車輪が付いていて、それを交換することができるので、複数のサービスに対応することができます。アームが付いているので、物を拾うこともできますが、AIが搭載されているので、声を認識して、何を拾えばいいのか、何をすればいいのかを理解して、それを実行することができます。」

ロボットの見た目だけでなく、指示を聞き取る音声認識や、交換可能な車輪、ものを拾うアームなど、機能の細かいところまで考えてくれました。

A IのリスクとA Iリテラシーの重要性

彼女は、AIが人間の生活の多くを助けてくれるというポジティブな側面に期待しつつも、AIのリスクを恐れてもいます。

「もしロボットが、つまりAIが何でもやってくれるようになれば、例えば自動運転の車があることによってバスの運転手は必要なくなりますし、電車の運転手や、飛行機のパイロットも必要なくなるかもしれませんし、ロボットの裁判官がいれば、裁判官は必要なくなりますし、ウェイターやウェイトレス、シェフなど、人がやる必要のない仕事がたくさん出てきます。もし人々が仕事を得ることができなければ、おそらく十分なお金を手に入れることができず、経済的に苦しくなるでしょう。」

と、将来ロボットに仕事を奪われ、人々が財政的に困難になることを懸念しています。

人間が幸せであるためには、ロボットは望むことをなんでもやってくれるのではなくて、人間のアシスタントレベルで利用されるべきだと考えているそうです。

また、2050年の将来はさらにAIテクノロジーが利用されていると思うから、学校でも子供たちは学ぶべきだと、AIリテラシーの重要性についても考えていました。

あとがき

私はインタビューを読んで、10歳にしてAIのポジティブなイメージだけでなくリスクについてここまで考えているということに感心してしまいました。AIの便利さと共存する未来を受け入れているからこそ、人間の役割がなくなってしまわないかという懸念があるのだと思います。人間の幸せな社会のためにA Iを利用し共存していくためには、AIのチャンスとリスクを理解し、どこまでAIに任せて良いのか、何を人間がやるべきか、考えていきたいと感じました。

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