シリーズ!AI×Z世代 UK ver. #12

身近にあって欲しいロボット
「技術をどのように使うか、お金や権力を得るために使うのではなく、どう社会や人々の生活をより良くするために使うか、ということです。」
AIとロボットの使い方についてこう語るのは、ケンブリッジ大学を卒業し10月から大学院で哲学を専攻しているLさん。彼の理想の今後の社会とはどのようなものなのでしょうか。
身近にあって欲しいロボット
まず初めに、Lさんが身近にあってほしいロボット、生活の中でロボットに期待することについて聞きました。
「自動運転車が事故を起こすたびに、『なんてこった、この技術は安全じゃない』と騒ぎになりますが、人間の方がしょっちゅう事故を起こしているわけですから。」
人間だって頻繁に事故を起こすわけだから、人間より信頼度が高ければそれでいいと言うLさんは、身近なロボットの導入に比較的賛成のようです。消防や警察にもロボットを導入し人間の危険を取り除いたり、家に一人でいる子供を見守ってくれるロボットを作り仕事の時間を確保するなど、人間の活動を助けてくれる新しいロボットの案を多く出してくれました。消防や警察で活躍するロボットがいたらSF映画のようでかっこいいですよね。
上の写真はLさんが考える理想のロボット。犬形で、家に侵入者が入ってきたりした場合吠えて知らせてくれます。また、人の感情を感じ取って本物の犬のように一緒に遊ぶことができたり、目の見えない障がい者の手助けもできるロボットです。
AIと仕事
AIが広がることによって人間の仕事がどうなるかについては「退屈な作業や繰り返しの作業を代わりにやってくれる良い存在になると思います。そうなると週に働く日数が減るので、他のことに使える時間が増えて幸せだと思う。」と話し、AIの活躍によって仕事が減った分の時間を友達や家族と過ごす時間、趣味の時間にあてたいとポジティブな考えを持っているようでした。休日が増えて喜ばない人はいないでしょうし、理想の働き方ですよね。
将来は簡単に自動化されるような仕事はAIに奪われ、人間の仕事が減ると考えているようですが、AIやロボットのプログラミングやメンテナンスなど、高いスキルが必要とされる仕事は増えると予想しているそうです。このように、AIやロボットが一方的に人間の仕事を奪っていくのではなく、人間と協力して仕事をしていくことができると期待しているようでした。
未来予想
最後に、Lさんが考える理想の未来とはどのようなものなのでしょうか。格差、人種差別や性差別の現状に不満があるLさんはより良い社会のために様々な不平等の解決を望んでいます。また、環境問題についても現在より気候変動を引き起こしたりすることはなく環境と調和した社会になっていると予想しています。これらはAIをどの国がどの目的で作り活用するかにもよるが、皆が一緒になってAIを設計する平等な方法は見つけるのが難しいと懸念しています。
また、仕事がAIやロボットに奪われた場合、人間は人と交流する機会が少なくなると考えているようで、出会い系アプリにならって友達を見つけるためのサービスが多く出てくるかもしれないとも語っていました。
このように、Lさんが考える理想の社会にはAIの在り方が大きく関係していることがわかります。
まとめ
LさんにとってAIやロボットは「機械的な仕事を人間の代わりにこなし、私たちが自由に使える時間を増やしてくれる」という前向きなイメージのものでした。また、AIを誰が作り、どのように活用するかによって社会問題の行方も左右されるという考えにも気づかされました。Lさんが言うように、AIが得意な分野と人間が得意な分野をそれぞれ分業していけばAIと人間の共存の道は広がっていくでしょう。そんな社会を作るために、私達はAIが持つ特性を学び、私達を助けてくれる存在として繋がっていけるよう考えていくべきなのではないでしょうか。