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Creating a future AI societyAI社会を創る

国連『AIのある未来』プロジェクト

国連との共同プロジェクト『AIのある未来』では、2022年前半、世界中から参加した254人の若者たちと一緒に、AIとロボットの未来について、サーベイ調査と「イマジネーション・チャレンジ」を実施しました。その結果にもとづいて、若者たちが関心を抱いているいくつかのトピックを特定し、これについて議論するためのワークショップを、若者たちの代表および企業や欧州議会、国際連合などの国際組織の代表と一緒に2022年11月に開催しました。これはそのワークショップから結実した提言です。

デザイン
についての7つの提言

• 文化に敏感であること
• ロボットを親しみやすく
• AIインタラクション原則
• AIをオプトアウト可能に
• リスクにあわせた調整
• 使用前の説明
• 人間の能力の拡張と協働のためのデザイン

ガバナンス
についての7つの提言

• インクルーシブであること
• 産業界と政策立案者の協働
• 若者の活用
• 柔軟であること
• 積極的な市民参加
• ソフトローの活用
• 「承認シール」の作成

共存
についての4つの提言

• AIリテラシーの国際プログラムを開始する
• キャリアアドバイスとリスキリングを提供する
• 雇用に率先的に取り組む
• 国連が積極的な役割を担う


AIのデザインについて

1. 文化に敏感であること

AIは画一的であってはならない。ユーザーの文化や年齢や性格に適応可能なAIをつくる。

2. ロボットを親しみやすく

ロボットと人間に共感が生まれる方向を目指す。AIが人間の「友だち」になる必要はないが、「フレンドリー」(友好的で、信頼できる)でなくてはならない。

3. AIインタラクション原則

国連、産業界、そして若者は、人間とロボットがどのようにインタラクションすべきかをめぐる原則をつくるために協力すべきである。

4. AIをオプトアウト可能に

可能なかぎりAIシステムをオプトアウトできるようにする。利用を拒否する自由を認めることは重要である。

5. リスクにあわせた調整

AIをデザインする際は、それぞれのリスク・レベルにあわせて適切な注意を払う。人間との相互作用を含んだヒューマン・イン・ザループ・デザインを用いて、人間の価値観を反映させる。

6. 使用前の説明

AIを使用する前に、AIについて説明できなければならない。それはどのように使用されるものなのか、それは何をするものなのかを、まず説明できるようになってから使用する。

7. 人間の能力の拡張と協働のためのデザイン

AIシステムのデザインに、既存の枠組みにとらわれない新奇なアプローチも採用していく。必ずしも人間をAIで置き換えるためのデザインではなく、人間の能力の拡張と協働のためのデザインをする。人間と機械が一緒になれば、もっとよくなる。

国際的な対話とガバナンスについて

8. インクルーシブであることBe inclusive

すべての人の声が必ず聞き届けられるようにする。発展途上国の人々も、AIに馴染みのない人々も。

9. 産業界と政策立案者の協働

産業界と政策立案者の相互作用が不可欠である。両者は相互から学び合う必要がある。そのためのプラットフォームをつくらなければならない。

10. 若者の活用

国際企業が新しいAIアプリケーションを開発する際、若者が参加できる仕組みをつくる。

11. 進歩に応じて柔軟であること

規則や規範を広範で柔軟なものにする。テクノロジーは目まぐるしく変化するので、厳密で硬直した規制ではすぐ時代遅れになってしまう。

12. 積極的な市民参加

市民は政策決定に積極的に関与すべきである。政府や産業界に任せきりにしてはいけない。

13. ソフトローの活用

ソフトロー(組織が自発的に従う指針)は、規制をかけるのと同じくらいの効果を発揮しうる。

14. 「承認シール」の作成

倫理的なAIを承認する「承認シール」の標準を企業向けに作成する。

AIとの共存について

15. AIリテラシーの国際プログラムを開始する

世界中のすべての人々にAI教育を提供する。AIリテラシーは、AIの普及した世界を上手に生きるための基礎をなす。人々が仕事を失わないためには、若者と大人の両方にAI教育を提供することが重要である。子どもたちが幼い頃からAIを理解できるようにしなければならない。企業は AIとロボットについての教育を(無料で)提供することを検討すべきである。

16. キャリアアドバイスとリスキリングを提供する

政府は、若者たちがAIの普及した世界に対応できるよう、キャリアアドバイスやキャリアサポートを提供すべきである。また、政府は、必要とする人々に新たなスキルを学習する機会(リスキリング)を提供すべきである。AIを、人々がキャリアアップするためのチャンスとして活用する。

17. 雇用に率先的に取り組む

企業は社会的責任プログラムに、雇用への率先した取り組みを含めるべきである。仕事をAIに置き換えるなら、よりよい新たな雇用機会を創造しなければならない。

18. 国連が積極的な役割を担う

国連は、AIとの共存を成功させるための呼びかけと、具体的なプログラムによる支援に、積極的な役割を担うべきである。

『AIのある未来』プロジェクト(英語) : https://www.afuturewithai.org
国連のウェブサイト(英語) : https://unite.un.org/news/future-ai-voices-global-youth-report-launched

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