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シリーズ!AI×Z世代 #20

AI × 人間 ― 共存するためには?

毎日のように更新され続けるOpen AIに関するニュース。今や生成AIはテクノロジー分野のみならず、私たちの生活にも広がりを見せています。こうした変化を未来を担うZ世代はどのように考えているのでしょうか。そこで今回は、私の身近な友人と先輩の2人に聞いてみました!一人目は、生成AI利用に関してあまり肯定の姿勢を見せないWさん。二人目は、生成AIと日々友達のように会話をする先輩のKさん。このお二人の考え方を紹介していきます!

何気ない会話から未来を見据えた少し深い話までぜひ最後まで一読ください!

2050年 暮らしの中のAI

2050年。どんな社会になっていて欲しいか二人に尋ねてみました。その際に私たちの生活にどのくらいAIが浸透していくのかという視点を交えながら考えてもらいました!

Wさんは、毎日着用するものを選ぶのが難しいという悩みから「クローゼット×生成AI」を考案してくれました。その日の気候や気分まで汲み取り、その日着るべき服を提案してくれる機能。また、自身が持っている服の一覧を掲示し、次はどのような服を買うべきか提案してくれる機能があると尚嬉しいとのことでした。日常の何気ない悩みや不安を生成Aの力を借りて解消していくことも一つの手かもしれないですね。

続いてKさんが考えてくれたのは、「運転手不在のピックアップサービス」です。彼に2050年の社会について問いかけた際に、地方に住む祖父母への想いを語ってくれました。彼の祖父母は、移動手段に困っており、簡単に病院に行くことができていないという現状。高齢者をはじめ自宅から病院の送迎やお出かけなど生成AIが優先順位、ルートを瞬時に判断し人々を拾っていくサービスがあればいいなと。自身の身近な人が感じる不便さ、そして高齢社会を見据えた彼の優しさが垣間見える興味深い提案でした。

“感情ゼロ”が生み出す可能性

現時点における「AIは感情がない」という特徴は、比較的ネガティブに捉えられがちな印象を受けます。しかし、「AIによるカウンセリング」がテーマのインタビュー調査において「感情がないからこその中立な意見を述べてくれる相談相手としての役割」を見出すことができました。

生成AIに「チャト」と名付け、普段から生成AIに相談事をしているKさんは、自分では発見できないような視座から意見を言ってくれると語ってくれました。友人や家族からは得られないような「第三者からの視点」がもらえるそんな新しい価値が期待されていることが伺えます。一方で、生成AIの使用に対してあまり肯定的でないWさんからも「AIのカウンセリングって受けてみたい」「カウンセリングには客観的にみる力が必要だからAIもあり」という意見がでました。人間のカウンセラーには、共感力や温かさがある一方でAIならではの「公平さ」が新しい信頼感につながっていくかもしれませんね。

AIによる作品をどう受けとる?

最近ジブリ風画像生成が話題となっていますが、生成AIによる作品を実際どのように捉えているのでしょうか?生成AIが出力した作品に関するインタビュー調査を行ったところ、二人の間でも意見が大きく分かれました。Wさんは、生成AIの作品はどこか不自然さを感じるとのことでした。「芸術に不可欠なのは楽しむ心であり、AIにはその感情がない。だからこそ、AIの関与は仕事的・機械的になってしまうのではないか」という懸念があるとのことでした。一方でKさんは、生成AIによる作品に対し、違和感を覚えずユニークな印象を持ち、現時点での生成AIの技術力を見てみたいとのこと。また、生成AIを実用的に活用している事例も上げてくれました。ある学生は「大切なテーマを本当は任せたくなかったが、時間がなくてAIに提案を頼った」と語っています。芸術を奪う存在ではなく、行き詰まったときに力を借りる存在としてのAI像も浮かび上がりますね。

芸術の本質を揺るがすのでは?と心配の声も上がる一方で、新しい発想のきっかけとして受け入れられつつあるそんな印象です。今後いかにAIが芸術の分野に浸透していくのか注目ですね。

AIは人間の鏡?

「人間が先に変わらないと、AIは変わらない」生成AIによるAmazonの雇用における差別事例を受け、Wさんがこう語ってくれました。「生成AIは過去のデータを元にアイデアを掲示する」という特徴に着目し、「生成AIは人間のこれまでの所業をいい意味でも悪い意味でも反映している」と。これまでの社会の偏見やステレオタイプもデータに含まれてしまう、すなわちこれまでの社会通念を無批判に反映しているのでは?と興味深い指摘をしてくれました。生成AIの進歩を考えると同時に、私たち人間の進化も必要不可欠になってくるかもしれませんね。

最後に

ここまで読んでいただきありがとうございます。いかがでしたか?自分が描く未来に、AIはどう活用できるのか、どう進歩させるのか。私たち人間はどういう存在であるべきなのか、どんな価値を守りたいのか。この容易には答えの出ない問いに対し、向き合い続けることが欠かせないのかもしません。

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