環境を守るロボット
はじめに
「2050年には、より良い環境の中、平等な社会になっていてほしい。」
理想の社会についてこう語ってくれたのは、サリーで働く11歳の男の子。水泳選手かミュージシャンになりたい、という夢を持つスポーツ好きな少年です。
無邪気に夢を教えてくれた彼ですが、ホームレス問題が深刻化している地域で暮らすからか、ホームレスのいない、環境にやさしい社会を強く願っている印象がありました。
そんな彼はどの様な場面で、AIやロボットの可能性を期待しているのでしょうか。早速お話を伺ってみました。
普段はAIを利用する?
iPhoneとiPadを中心に利用をしているとのこと。「アレクサ」は自分の部屋とキッチンにも置いてあるため、頻繁に使っているそう。特に、好みの曲を予想してチョイスしてくれる機能がお気に入り!
日本の小学生と同じように、日常的に使用する電子機器を通してAI技術に触れているようです。
ロボットのイメージ
ロボットといったら、どんなイメージを持っているか聞いてみました。
すると、
「最初にAIと聞いて思い浮かぶのは、“話せるもの”。アレクサやSiriのように。そしてロボットは“歩くもの”。すごく役に立つものだからポジティブに考える。」とのこと。
様々な意見をくれた彼に、自分が欲しいロボットはどんなものかイラストで表してもらいました。実際のイラストを紹介します。
「環境を守るロボット」 (S.E.B = Safe Environment Bot)
・自分が危険を感じた時は中に入ることができる
・危険や異常を察知するセンサーがある →環境を守る
・病気をいち早く察知してくれる →人を守る
・声を感知する機器がついている
・浮いて移動する など、ユニークなアイデアをくれました!

2050年の社会のロボット
2050年には、身近な場面でどのようなロボットが使われていたら理想か、彼に聞いてみました。
人間とロボットがどのように共存していってほしいか、素直に教えてくれました。
「家事や運転、買い物をしてくれるロボットがいたら便利でいいな。でも、ペットとの時間は大切にしたいからお世話は自分でしたい。学校の授業も対面で、人間の先生に教わりたい。オンライン授業は集中できないし、先生がロボットだったら融通の効かない採点になりそうで嫌だな(笑)」
「病院では、ロボットはあまり役に立たないかも。母親が看護師で、患者さんの相談をしていたり、病態についてたくさん話し合ったりしているのを見ているから。ロボットの方が正確なこともあるから難しいけれど、、」
人間同士の繋がりやコミュニケーション、動物とのふれあいを大切にしていることがわかりますね。単純作業や正確性の求められる場面ではロボットが求められているのだと感じました。
彼の言葉から、ロボットには、早さ・(利用することで人間が感じる)楽さ・正確さが求められているのではないかなと思いました。逆に、人間には、柔軟性・温かさが良さとして認められていると感じられます。
つづいて、社会的な場面でのロボットについても話してくれました。
「裁判でのジャッジとか犯罪を防ぐ場面でロボットを使うのには賛成。人間よりもロボットの方が多くの情報を持っていて、正確な判断ができると思うから。盗みが起こっているところでは、ロボットの方が早く動けるはず。」
ここでも、人間よりも早いというロボットの特徴に良さを感じています。私自身、安全性の観点からも、犯罪現場に関するロボットの利用には賛成です。犯罪を起こした側も、力の限度がわかる人間相手よりも、機械が向かってきた方が怖いかもしれませんね。
2050年社会に向けて
理想のロボットを描いてくれた彼に、これからロボットと生きる上で何が必要か聞いてみました。
「もっと、AIリタラシーをつけられたらいいと思う。学校のコンピュータークラスで勉強しているけれど、ロボットのデザインの仕方やAIがどのように働くか更に知りたい。将来も学校で授業として勉強できるようになればいいな。」
Z世代である私たち自身も、これからの社会に向けて努力しなければいけませんね。
彼を見習って、日本に住む私もAIリタラシーの勉強に力を入れようと気合が入ります。
あとがき
遠く離れたインドの少年の持つ意見は、日本人の私でも共感できるところが多くあり、AI技術のグローバル化を実感しました。
2050年の人間とロボットの関係は、まだ人間がロボットをコントロールする関係であり、人間同士の関係が重要という少年の言葉は、ロボットと共に生きていく私たち世代に必要なメッセージだと思います。
便利さを追求しながらも、人と人の関わりや、その中で生まれるあたたかさを忘れない未来を期待したいですね。