シンプルで難しい「当たり前」を
「町中にロボットだらけになるのは嫌です。ロボットの世界のなってしまうから。」
このように語るのは小学校を卒業したばかりのハリーくん(仮名)。日本人のお母さんとインド系イギリス人のお父さんを持つこの11歳の少年は、2050年のAI・ロボット社会についてどういうふうに考えているのでしょうか。
AIとの関わり
ゲーム好きであるハリーくんは、日常的にAIと関わっているという認識があまりないと話しています。ただ、年に2回ほど、通っていた小学校のコースとして、ロボットやAIのプログラムを作っていたといいます。
「ミニラグビーを一緒にやってくれるロボットとか、すごくベーシックなロボットを作っていました。そして、話して、答えてくれるような会話型のAIも作りました。」
AI・ロボットへのイメージ
ハリーくんは、AIにどのようなイメージを抱いているのでしょうか。
「AIは、私の考えだと、独自の考えをもつロボットのことです。ロボットは人間のようだけど心や考えがなくて、何かによって動かされているのです。なので、AIのほうが危ないかもしれないですね、なぜなら、コントロールができないですから。」
ハリーくんは、プライバシーの観点から、基本的にAIに否定的な考えを持っているといいます。
「基本的にはAIを信用しないです。大切なことや複雑なことは人間がすべきですね。将来、自分の目指すデザインも一部で利用することになるかもしれません。それならばいいですね。否定的ではあるが、普段はもし新しいロボットとか機械が来たらワクワクします。」
ほしいAI・ロボット
ハリーくんは、ドラえもんのようなロボットがほしいと話しています。
「人を助けつつ、多くのミスも犯すおもしろいロボットがいい」と書くハリーくん。将来、一緒に暮らすようなロボットができたらいいと語ります。
「買い物とか洗濯とか、使用人またはメイドでありつつ、ペットの要素もあってほしいです。例えば、フィギュアがあるSiriみたいな、友だちでありながら、体力労働ができるものですね。でも、AI・ロボットだから、かわいくて抱きしめたいようなものであってほしくないですね。町中にロボットだらけになるのは嫌です。ロボットの世界のなってしまうから。」
教育の面になると、ハリーくんは、AIでなく、人間に教えてほしいと言っています。
「教室では、AIに教えてほしくないですね。本当の人間に教えてほしいです。AIだと、ふざけてしまっても反応してくれないし、正解を行ってもよしとしかいってくれなさそうですね。」
2050年のAI社会
将来のAI・ロボット社会については、よりフレンドリーであってほしいと話しています。
「今だと、街やバスでは、みんなが頭を下げてスマホに集中していて、ヘッドホンをしているんです。なので、他の人があなたに声をかけようとしても、あなたが目の前のことに集中してしまっているので、恥ずかしくて声をかけられないですね。例えば、お母さんが横にいるのに無視してスマホをいじったりするのは嫌です。」
ハリーくんは、2050年の社会に大きな期待を抱いています。
「将来は、環境問題がなく、すべての人が十分な食べ物や水を持って、安全な場所で暮らせる世界で生活していきたい。」
「誰かが傷つくから、犯罪や戦争がないことを祈っている。」
「プラスチック製品やガソリン車は、環境を傷つけるから、禁止にしてほしい。」
心が豊かなハリーくんはこのように書いています。難しいことだらけのように見えますが、すべての人が公平な機会を与えられる社会のあるべき姿でもあります。
みんながふつうの生活を送ることができるという、ハリーくんの「当たり前」のような夢が叶いますように。