未来社会に必要な「人間とAIの共存」
ジムでインストラクターをする、20歳の女性Hさんは、9月から演劇科の大学生となる予定です。将来役者の道に進もうとする彼女は、今後一体どのような社会になることを望んでいるのでしょうか。
役者とAI
9月から演劇科の大学生となるHさんは、2050年の理想や、その社会について次のように語っていました。
「2050年…。これまで考えたことはなかったですが、目標は舞台やラジオなど様々な分野でキャリアを持つことでしょうかね。でも社会全体としてその夢が叶えられるフィールドが残っていることを望みます。(中略)けどその社会では、実際に人が携わってほしいですね。演劇はある意味、ステージで人を見て、人と話すことがポイントだと思いますから。なので、ロボットが役者に代わるという危機感も少し持っています。」
現在、必死に演劇の研究に励む彼女は、今後もその道を進み、多岐にわたって活躍することを望んでいました。また、さらに今後の演劇業界においても、人が仕事に携わることを望み、ロボットが人間に取って代わり仕事をすることの不安も抱いていました。私は、今後発展していく社会の中でも、Hさんがその大きな夢を叶えられることを願っています。
環境にやさしい世界を作るために、AIを活用すべき
そんな彼女は2050年の理想の社会について、緑がたくさんあり、車が空を飛んでいる社会を望んでいました。(下図)
《2050年の理想社会とあなた》
私がこの質問で興味深く感じたのはその理由で、AIの力を借りて環境にやさしい、持続可能な都市を作っていきたい(リサイクル可能な材料から)という、強い想いがあったことです。そのため、空飛ぶ車によってCO2の排出や汚染物質をゼロにした、緑あふれる社会を、AIを活用して作っていきたいという事でした。
欲しいロボットは、愛着の湧く犬型
彼女に理想のロボットの姿について尋ねたところ、下図のような犬型のロボットを描いてくれました。インタビューの中でHさんは、ロボットは人型よりも愛着の湧く、ペット型ロボットであって欲しいと語っています。ロボットには恐怖心というものが少なからずあるので、そこを可愛がりながら、共に暮らすことが出来るのは、今までのロボットスタイルのSiriやルンバ、Alexaといった媒体とは大きく異なる存在だと言えるでしょう。
《欲しいロボット》
大切なのはAIと人間のバランス
彼女はロボットが人間に取って代わり仕事をすることに、不安を抱いていると上述しましたが、あくまでも彼女は仕事をする上で、人間とAIのバランスが重要だと語ります。
「問題は、すべての仕事をAIに置き換え始めると、明らかに人間の仕事が不足するでしょうね。理想論ではありますが(笑)。AIを必要としている業界、特に医療や化学、フィットネスといった分野では大いに役立つだろうし、活躍して欲しい。でもAIが利便性に基づいて導入されるとなった場合、人々も簡単に行う多くの仕事を必要としていることから、境界線が曖昧になるのではないでしょうか。だから本当に、全てにおいてバランスが必要だと考えています。」
私は、Hさんの将来の夢について聞いた際、AIに対してかなり否定的な意見を持っていると感じたのですが、インタビューの多くの場面で、AIは活用すべきであるという気持ちが伺えました。また、現在ジムで働いていることから、医療・健康面でのAI活用も肯定的で、今後の社会に期待をしているとのことでした。しかし一方で、全ての雇用がロボットに置き換わる状況には、人間の仕事が無くなることが明らかなことから不安を抱いていて、本当に必要とされる場面でAI・ロボットは活用し、その人間とAIのバランスが必要であると考えていたのです。私は、彼女の将来の雇用に対する意見から、仕事は人間・AIどちらかに偏るのではなく、人間とAIがバランスを取り、いかに共存していくかが重要であると改めて感じました。
終わりに
今回、演劇科の大学生Hさんのインタビューを通して、今後の理想の社会や、彼女の役者の道に進みたいという、将来像について知ることが出来ました。今後発展していく社会の中でも、Hさんは自分の気持ちというものを大切にして、ぜひ自分の夢を叶えて欲しいですね。また、海外のZ世代の若者も、日本のZ世代の若者が持っていた「人間とAIは共存すべきである」という意見があり、幸せな未来社会を作っていくために、人間とAIが繋がることは必要不可欠であると私は思います。