AI・ロボットと作る平等で持続可能な社会
「AIが私たちにどのような利益をもたらすのか知り、得られた時間を有効的に使うべきだと思います。」
そう話してくれたのは、New Hall大学院でエンジニアリングを専攻していた大学院生の22歳Mさん。基本的にAIやロボットは社会で上手く利用できると考えている一方で、今のところAIやロボットをあまり信頼していない彼は、AIと人間の将来についてどのように考えているのでしょうか。
普段のAIやロボットの利用
彼は日常生活におけるAIについて、「家にはアレクサがある。」と答えてくれています。音楽を使うためにアレクサを使っているそうで、他の用途ではあまり使わないようでした。
お店での店員の役割
Mさんはお店でのAIやロボット化について、「接客や顧客支援は断然人のほうが良い。」と述べています。彼自身も働いているカフェを例に挙げ、ローマ時代のカフェの役割についても触れながら、カフェが自動販売機よりも一歩先にあり、人と話をする事に価値があるという話をしてくれました。また、Mさんは外向的な性格で人と話すことが好きだと教えてくれて、人との交流を好んでいるようでした。
AIと人間、どちらが判断を下すべきか
文化社会的レベルのAI・ロボットについて、Mさんは「AIがどれだけ優れているかに関係している。」と述べました。その一方で裁判官の仕事に対しては、AIは人間のように先入観や固定観念がなく、法律や資料などを見落とすことがない事から、AIにさせるほうが良いという考えに理解を示していました。そして彼は、人間とAIが協力して仕事を進め、裁判という段階においては人間が決断を下すべきだと考えていました。
また、「私たち人間の中で優れていてかつ信頼できるものは、直感である。直感は脳が発達させてきた多くの情報を素早く取り込み、それを基に判断する。」と話してくれました。彼は、人間の直感が正確な判断を下す場合もある事を踏まえながらも、ミスをすることなく複雑な決定を迅速に下すという点においては、AIの方が優秀であると考えているようでした。そのため、その時々の状況に基づいて救急車の最短ルートを見つけるなど、緊急時に役立つことを期待していました。
欲しいロボット
こちらは、Mさんが欲しいと思うロボットの絵を描いてくれたものです。
人間の腕のようなもので物を掴めたり、下についているローラーで床や階段を移動できたり、家を綺麗に保つための機能が搭載されています。Mさんはこのロボットが自分の代わりに掃除をしてくれれば、無心で掃除をする必要がなくなり、彼自身のために使う時間が増えることを望んでいました。
ロボットと人間の理想の社会
次にMさんの理想的な社会についての質問をしました。将来の雇用についてMさんは、現在すでに自動化が進んでいることを踏まえて「AIは医師の仕事まで引き継ぐかもしれない。」と話をしてくれました。AI化が進むことにMさんは否定的な立場ではなく、代わりに仕事をしてくれる事で自分の時間が増えると前向きに捉えているようでした。しかし、その得られた時間をどのように使うか考え、有効的に使う必要があると、慎重な考えを持っています。
Mさんは「社会をよりよくするためには、環境的にも、社会的にも、経済的にも持続可能でなければならない。」と述べ、生活の質を高めつつ環境へのダメージがゼロになることを理想としています。また、彼はAIが裁判官の認知バイアスを減らす上で役立ち、人種差別などの差別を最小限に抑える事を期待していました。
終わりに
今回インタビューに回答してくれたMさんは、現段階ではあまりAI・ロボットを信頼していないようでした。そのため、人間を相手にする仕事はAIではなく人間がした方が良いと述べていて、今後AI化が進むうえで信用や信頼が問題になってくるのではないかと考えました。その一方で、AI・ロボットの人間にはない平等性や反復性は評価しています。しかし、実際にはAIが学習する過程の中で既存の偏見や先入観を学んでしまう側面もあります。そのため、将来AIがこの課題を乗り越え、Mさんが望む真の平等な社会作りに貢献できることを、私たちも期待しています。