人間のサポートとしてのロボット
9月より旅行会社へ勤務し、夏休みはカフェで働いている23歳の女性、アナさん(仮名)大学では語学を専攻しているという。基本的にA Iやテクノロジーよりも人間同士の関係やコミュニケーションを大事にしている彼女は、ロボットと人間の現在そして未来をどのように考えているのでしょうか。
A Iとの関わり
日常生活でSiriなどは利用しないという彼女。しかしお父さんが使っているのはよく見るという。大学の授業でA Iを利用したソフトを使った話について聞いてみました。
「私は語学を専攻しているので、翻訳をすることがよくあります。DeepLと呼ばれるもので、授業でよく使います。実際に、教授とその長所と短所について話しました。」
「AIが何であるかはなんとなくわかっているつもりですが、今聞かれると全く自信がありません。でも、このソフトがAIであることは間違いないと思います。」
2050年の社会
日常生活ではA Iを使う機会は少ない彼女ですが、A Iと私たちの未来についてはどのように考えているのでしょうか。まず自分の将来について彼女はこう話してくれました。
「まだ始めてはいないけど、将来は旅行が大好きだから旅行をしたい」
「そのためにそれぞれの国について詳しく知って、言語も流暢に喋れるようになって、各地の文化を知りたい。」
「理想の社会については、テクノロジーに囲まれた生活をしているし便利にも思っているが正直なところ、最近の傾向であまり幼少期にそういうものに触れるのがどうなのかという疑問もあります。状況は大きく変わったから、子どもたちには、間違った使い方や悪い意味での依存をしないでほしいな、と思う。」
日常生活におけるロボットの今後
ここからは、彼女が考えるロボットと私たちの未来をいくつかの事例に分けて紹介していきたいと思います。
まずは個人的に欲しいと思っているロボットについて彼女は次のように語ってくれました。
「社会的には翻訳とかに使われることになるロボット」
「ほしいロボットはお掃除ロボットでかわいい感じがいい。私の家が汚れていることを察知して、必要なときに必要なだけ働いてくれるような。親しみやすい顔で、あまり大きくないもの。」
次に、家庭や学校、職場などにおけるロボットと人間の関係性について彼女はどのように考えているのでしょうか。それぞれについて、彼女はこう答えてくれました。
「もし犬を飼っていてその犬の相手をするようなエンタテイメント程度のロボットならいいのかも。ただ、人のお世話とかになると疑問。基本的には介助者のようなロボットがいいのかも。ロボットは必ずしも人間型でなくてもいい。すでにヘルスケアとかで使用しているのは知っているが、人がいかに早くそういうのに切り替えられるかも問題。」
「学校などでの使用に関してはなんでも白黒はっきりしているわけではないので添削も反対。」
「家庭では、将来的にベビーシッターかわりにどこまで信頼できるか。子供が大丈夫かどうかや安全かどうかが心配になる。」
「今はカフェでバトしているけれど、そういった仕事ならロボットにもできるかも。ただ、そうすると自分たちの仕事がなくなり、達成感が得られなくなる。人間にとって労働は重要。」
今度は、カスタマーサービスや病院などにおけるロボットの利用について聞いてみました。
「カスタマーサービスを利用していて、ロボットの声が聞こえてくるよりも人間の声の方が安心。もっと発展すればいいが、今のサービスでは人間に答えてもらいたい。」
「病院など医療で使う場合は特に問題ない。人間が監視してることが重要だけれど、私はAI技術で手術を受けても、人間が監視していれば全く気にならないんです。」
また、車に関しては全てが自動運転なら良くて、たとえば救急車やパトカーがきてすぐ対応できるか、判断力がどこまで信頼できるか。今の時点ではよくわからないとのこと。
コロナとロボット
これまでで紹介したようにロボットを使うこと自体は賛成しているものの、やはりロボットはあくまで人間のサポートであるべきだと考えているアナさん。ではコロナのパンデミックが起こってしまった現在におけるロボットの利用についてはどのように考えているのでしょうか。彼女は次のように語ってくれました。
「すでにコロナのトラッキングアプリを使って二回隔離した。監視されるシステムには安心感を覚えたが、その多くは位置追跡ではなく、信頼に基づくものだったため、嬉しかった。モニターするのはいいが、あまり度を越すのはよくないと思う。」
「但しそういう個人情報があらゆるところにあることは自覚しているし特にいまのところはストレスに感じてはいない。」
「消防隊や救急隊員にかんしてはどこまでできるのかわからない。」
「国際レベルだと、軍隊ですでに利用されているが、兵士として使うのはよくないと思う。警察官とかに代用するのもよくない。パトロールする警察官の役割をうまくこなせるとは思えないし、実際に人間とコミュニケーションをとるのも警察官の役割であるから。AIの研究にこれ程お金をかけているのなら、社会的にはいいことをするべきでしょう。そしてまずは環境問題を解決することが大事なのではと思いますね。色々すべきことはありますが、それの具体策に関しては少なくとも私はまだ思いついていません。」
また、翻訳に関してはすでに便利ではあるが、技術や外見のみならず、実際に人との交流であったり、何ができるかを重要視すべき、と話しています。
A Iロボットへのイメージ
ここからは、彼女が現時点で持っているAIやロボットに対するイメージについて聞いてみました。
「A Iに対して最初に浮かぶのは、Youtubeで見たロボットダンス。A Iとロボットを切り離したイメージはない。」
「映画などではアバターが思いつく。最近では東京オリンピックで見たドローン。信用はあったりなかったり、専門家が信用しているものは信用する。人間がどこまで作れるのか楽しみな部分もある。」
A I社会への適応
最後に、AI社会に適応するために私たちが持つべきAIリテラシーについて彼女がどのように考えているかを紹介します。
「聞いてみるとちゃんと違いもわからないから知りたいとは思うし、一体どこまでがAIなのかわからない。ただあんまりはっきりさせてしまうと老人は怖がるかもしれない。」
「それは、AIがそれほど日常的なものになっていないからだと思います。
子供には将来的にはクラブみたいにして強制ではなく楽しく学びたいものだけを教えてあとは使用上のセイフティーをしていればいい。小さい子供にはオンライン授業はよくないAIやテクノロジーによって、すべての学習や教育がオンラインで行われるようになるまでの時間は、かなり短くなっていると思います。」
さらにA I社会の雇用と将来の仕事についても教えてくれました。
「仕事とはお金をもらうことであるけれど、やりがいを感じられたらラッキー。雇用がなくなることもあるだろうがそうなって欲しくない。人それぞれ才能が違うわけなので、人の才能を脅かすようなことはキャリアとしての仕事を失わせてしまうからA Iにして欲しくない。」
最後に
インタビューの最後で、彼女はこう話してくれました。
「将来の社会は技術よりも人間の関係を優先されることが私たちの幸せだと思うんです。逆に医学的なことはロボットやAIを信用している。環境問題に取り組めるようはAI研究を世界ですべきであると思います。」
実際にAIの技術革新が発達している今は、彼女のようにAIを信頼する線引きを引いていくことが重要になってくるでしょう。AIがどれだけ発達したとしても使うのは人間なのだから、人間がAIのことを信頼できない部分は人間自身で行っていくしかないと思われます。