AIは敵か?味方か?
今回は「2050年のAIと社会」についてインタビューを行いました。1人目はAIを普段から利用しており、比較的AIの利用に肯定的な大学3年生のハナさん。2人目は大学でプログラミングを先行しており、AIの利用には否定的な姿勢を見せる、大学3年生のヒロくん。
今回はインタビューを通して明らかになった、2人のAIに対する考え方や活用法をご紹介していきたいと思います。“この考え方は自分と一緒だな”“こんな利用方法もあるんだ”といった視点で、ご自身の考えとの共通点や相違点を見つけながら、ぜひ最後まで読んでみてください!
AIは”友達”
2050年の理想の社会と自分について尋ねてみたところ、ハナさんは「AIと共存できる社会」だと答えてくれました。2025年現在では病院での治療や介護、芸術活動、メンタルケアなど、人が行うべきとされていることが沢山あり、それらをAI が担うことに対して反対の声もあります。しかし生まれたときからAIの役割として認識されているならば、違和感を覚えることもないのかもしれないと語ってくれました。
ハナさんは、普段からAIに相談事をしたり、会話をしたりするなどAIを気軽に利用して過ごしているそうです。AIにできることが増えて不安に感じないのかを尋ねたところ、「AIに仕事を取られるという考え方より、友達やパートナーという考え方だ」と話してくれました。
普段から気軽にAIを利用するハナさんだからこそ、AIに“友達”という言葉を使えるのだろうと思います。2050年には、誰もがAIを“敵”ではなく、“友達”と捉えるような世界になっているかもしれません。
「赤ちゃんがAIを使う?」
インタビューの中で、医療や芸術といった分野においてはAIの利用に否定的だったヒロくん。しかし教育の分野では全く違った意見を述べてくれました。
小学生のころからパソコンに触れている経験から、現在の専攻であるプログラミングに興味を持ったと話すヒロくん。自身の幼少における経験から、”AI利用に年齢制限をすべきではない”と大胆な意見を提示してくれました。
大多数の人が、AIの利用は高校や大学からにすべきと話す中、”何を取捨選択するのかは成長するに従い、その人自身が学んでいくのではないか”という彼なりの考えがあっての意見でした。
もしかするとあなたのお子さんは赤ちゃんの頃からAIを使う、そんな時代になるかもしれませんね。
「AIがお医者さん?」
2050年の社会では、今よりもAIが多くの分野において導入されることになり、私たち人にも大きな影響を与えると予測していたハナさん。特に影響を受けるであろう分野は、医療だと予想していました。現在多くの医療機関において診察、処方、治療は、人が行うものとされています。
しかしハナさんは、今後治療においてAIが活躍する場面が増えるのではないかと話します。というのも、自身の母親が以前受けた手術ではAIが利用されていたそうです。私は医療分野にAIの導入が行われていることを初めて聞いたため、非常に驚きました。もちろんAIのみでの治療は難しいと思いますが、人が立ち会うという状況でAIを利用すれば医療の可能性は格段に広がると話してくれました。
しかしそのような新たな可能性の生まれる中での懸念は、責任の所在です。AIが治療して仮に失敗してしまったとなれば、誰がその責任を負うのでしょうか。
理想のロボットはアップルウォッチ?

これはハナさんが考えてくれた理想のロボットです。
“画面が小さく見づらい”アップルウォッチを利用したことのある人は、きっとこの悩みに共感してくれるはず。これはその問題を解決する、画面が空間上に浮かび上がるように掲示されタッチパネルのように操作ができる、そんなロボットだそうです。人間の操作が無くてはこのロボットは機能しない、と説明してくれました。
AIはあくまで人間が使う道具であって人間を超えてはいけない、と取材の最中ハナさんは何度も主張していました。AIではなく人間が主導するという、ハナさんの理想のAIロボットの在り方がひしひしと伝わってきます。
理想のロボットは

これはヒロくんが考えてくれた理想のロボットです。
配線や電線が消えた「物理的な看板が消えた世界」を想定し、浮き上がる看板や個人情報によって、現在よりも情報が重視される世界をイメージしてくれました。ハンドルのない車が一般的となり、自動運転が当たり前の世界を構想してくれました。
将来、自動車会社に就職したいというほど車好きなヒロくんらしい理想の世界ですね!
さいごに
2人に共通していた考えは”AIは利用するのであって利用されない”ことです。
近頃、どの仕事が未来でも残る職業かという内容を耳にします。AIに仕事を奪われるのではないかと不安に思う声もあります。
しかし今回の取材を通して両者ともに、「感情を扱うカウンセリング」や「信頼関係を必要とする営業職」など、まだまだ人間が担うべき仕事も沢山あることが分かりました。
Aiが誕生し様々な分野や場面で導入されることで、人間にしかできないこと、人間だからこそできることがより明確になったのではないかと思います。この傾向をプラスと捉えるかマイナスと捉えるかによって、今後の社会の在り方が大きく変化していくと思います。