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シリーズ!AI×Z世代 #11

「AIと人間、それぞれに求めること」

こんにちは!高橋ゼミ三年生のユウキです。今回は、20歳の大学生、ミユさん(仮名)にインタビューを行いました!

「AIに人を動かすことはできない。AIは人間のサポートにとどまってほしい。」ミユさんはこう答えます。あくまでAIに頼り切るのではなく、自分で選択し行動する。それの支えにとどまってほしいという考えです。

彼女が思い描く2050年のAI社会とはどのようなものでしょうか。

「AIとの触れ合い」

ミユさんが普段触れ合うAIは、「muute」という日記のようなアプリです。スマートフォンのアプリで、日記に入力した内容を元にAIが分析し、行動特性を報告するものです。

例えばこんなことをした。こう思った。などと入力すると、「あなたのドキドキする感情はこういったことから生まれやすい」というように報告してくれるそうです。

Siriなどの音声入力のAIはあまり使用しないようで、「必要性を感じないなあ。打てば答えが出るし。」という率直な意見が聞けました。

彼女はやはりAIをサポートの道具と考えているために、Siriなどの音声入力を会話を楽しむというよりも検索するための機能として見ています。フリック入力やPCによるタイピング・検索が速く簡単にできるという視点から見ると、精度が上がったとはいえ完全とは言えない音声による検索はいまいちハマっていないようにも感じます。

「定量はAI 定性は人間に」

日常生活におけるAIの導入について聞きました。例えば、試験の採点におけるAIの導入については、学力テストの採点、入学試験の採点については、「全く抵抗はない。記述でもマークでも全然AIのほうがいいじゃん。」とのことです。AIの精密さや効率を考えると、人間よりも優れていることが理由です。

就職活動における採点・採用については、筆記試験は完全にAI派、答えがないような採用においては嫌だと答えてくれました。ただし、基準があって、それで良し悪しを判定できるような採用方針ならあっても良いが、人柄や柔軟性を見られるなら人間がいい。つまり、「定量ならAI、定性なら人間」とのことでした。

「AIに求めるものと求めないもの」

将来の夢についても答えてくれました。彼女の夢は「感情を揺さぶるようなクリエイティブな仕事」とのことでした。企画やデザインの制作、映像の制作などに携わる仕事をしたいと語ってくれました。その仕事をAIはできるか?という問いに対しては、「情報から得たパターンの提示や、ラフまではAI でもいいかもしれないけど、結局味付けするのは人間じゃないとダメな気がする。」と答えてくれました。

これはミユさんの理想のAI像です。人や動物のような形や感情を持つようなデザインや、AIロボットとして形を持つよりも、「機能」としてアプリやソフトにとどまるものが良い。とのことです。

「人間の補助っていう位置付けであってほしい。だから実態はなくていいし、感情を支えるものではなくていい。」あくまでもサポートする「機能」にとどまり、人間の可能性を拡張しうる存在としてのAIをミユさんは求めます。見えなかった病気など、可能性が見えるようになるためのAIに期待していることがわかります。

ただし、「原体験がないのよ。AIには。」とも言います。人の心を動かすのは原体験だから、それが存在し得ないAIには不可能だ、ということです。例えば教育の現場において、生徒が悩みをAI担任に相談できるか?という場面において、「こういう時はこうすると解決する」というような教科書的模範解答が存在したとしても、それは自分の心を動かすものには足りない。「私はこうしたよ」「私はこう思うよ」という、原体験を元にしたアドバイスが欲しいとのことでした。

AIだからこそできることがある一方で、生身の人間だからこそできることや求められることがあります。それぞれのメリット・デメリットを考えることに加え、ミユさんのように自分が求める生き方をするために「何をAIに求めるか?何を自分でやりたいか?」を考えることが必要かもしれません。

お読みいただきありがとうございました!来週はお休みです。

みなさま良いお年を!

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