子どもの成長とAI
りょうたさん(仮名)は21歳の大学三年生。現在は公務員を目指して勉強しています。AIやロボットに関する知識はあまりなく、利用もほとんどしていないといいます。今回はそんな彼に、理想的な50年後の社会についてインタビューしました。
理想の社会
りょうたさんにとっての理想の50年後の社会とは、「子どもが健全に成長できる社会」だそうです。
「日本でも子供育てられない親とか、家に親がいないとか、姉弟いないとかっていう状況の子が増えてると思うんですけど、それはたぶん子供が育つ環境としては良くないかなと思うんです。そういう意味で子どもが自我を形成して、ちゃんと大人になれるという意味で最適な社会になってほしいかなって思いますね」
公務員を目指しているため教育関連にも関心があるらしく、家族が子供を育てるための場として健全に機能する社会が理想だと熱く語ってくれました。
理想のロボット
その社会の実現の第一歩として、AIやロボットの社会進出は非常に有効だとりょうたさんは考えているようです。

これは、りょうたさんが描いた理想のロボットの絵です。このロボットは掃除や洗濯、炊事など、様々な家事を行ってくれるものだと言います。それにより、家族が一緒にいられる時間が増え、円満な家庭環境につながると考えているそうです。家事をすべて行ってくれるロボット、想像してみると家でリラックスできる時間が増え、日々の生活がより豊かなものになりそうですね。
教育現場でのAI、ロボット
子どもの成長に大きくかかわるのが、学校教育です。りょうたさんは、学校でのAI導入については、勉強を教えるAIには賛成のようですが、それとは別にカウンセラーのような人間が必要だと考えていました。
「学校の意義って人が集まるってことだと思うんです。で、それとは別に何か問題があったら見守ってくれる大人っていうのが必要だと思うけど、どっちかっていうとカウンセラーみたいな、成長を見守る人、っていうのが必要かなって。」
つまり、勉強を教えるのはAI、それ以外のことを教えてくれるのが人間、という役割分担を行うべき、という意見です。思えば、学校の先生が教えてくれたことは、何も勉強だけではありませんでした。元気に挨拶をし、逆上がりができたら褒め、けんかをしたら叱ってくれる。子どもたちを健全な方向へと導くのも、先生の役割です。
勉強ならば本を読むだけでもできますが、学校は勉強だけでなく、社会を学ぶ場でもあります。学習を補助する役割ならばAIにも可能だが、協調性、社会性を身に付ける手助けは人にしかできない役割だ、というのがりょうたさんの考えでした。
りょうたさんは、AIやロボットがどれだけ人間に近づいても、決定的に違う部分があると考えており、その部分こそが、子どもが健全に育つために必要不可欠だと考えているようでした。
家族や友人たちとの関わりによって子供の成長を導き、AIやロボットはその補助的な役割を担う、これこそがりょうたさんにとっての理想の社会の在り方であり、目指すべき未来でした。
今回のインタビューでは、りょうたさんの思い描く、「AIを用いた幸福な未来」を知ることができました。未来の社会を作るのは子どもたちであり、彼らの健全な成長が無くては社会の成長も望めません。AIやロボットによって子どもたちの健やかな成長を手助けすることが、社会の発展にもつながっていくのかもしれないですね。