平等・平和のためのA I
はじめに
「AIか〜〜結構使ってるかも!Siriとかは、手が離せない料理中に便利だから毎日のように使ってる!音楽流したりアラーム設定もしてくれたりするから本当に便利!!」

このように語ってくれたのは、都内私立大学に通う男子大学三年生のリョウさん(仮名)。今回は、最近は就職活動やバイトに追われる日々を過ごしているというリョウさんにインタビューをしました。
リョウさんは未来のAI社会についてどのように考えているのでしょうか。リョウさんのこれまでの過去の経験や興味のあることを絡めながら、30年後のAIとの付き合い方について話を聞くことができました。
2050年の自分と社会「差別のない世界になってほしい!」
まず、リョウさんに2050年の自分と社会についての質問をすると、「永住権をとって海外に住みたい。その時に日本人だからといって差別とかされない世界になっていたらいいな。あとは原発のない世界とか、フードロスのない世界が理想だよね」と、現在の社会問題が少しでも解決されていることを願っているようでした。
これらの解決のためにどんなAIがあったらいいのか聞くと、「個人的には入国管理局で平等な判断が下されて欲しいから、AIを活用して人間の主観とかなしに平等に入国させて欲しい!あと自動翻訳システム!ヨーロッパってたくさんの言語が入り乱れてるから、全部習得しなくてもスムーズにコミュニケーションが取れるような画期的な自動翻訳システムが欲しいな。それがあれば旅行者も来やすくなると思うし。」と、未来のヨーロッパで暮らす自分を想像して、楽しそうに話してくれたのがとても印象的でした。海外志向であるため、全体的に未来ではAIを上手く活用して、日本人が海外で(外国人が異国の地で)安心して暮らせる世界を望んでいるようでした。
ここで、AIを活用して差別なくしたいと話すリョウさんでしたが、AIは差別を助長するかもしれないという事実もあります。データに白人ばかりが登録されているなどといったことが少なくないからです。それでもなお将来のAIに差別是正の期待をかける姿には、現状の差別がいかに過酷なものであるかを改めて反省させられますし、未来のAIを平等・平和のためのAIにしていきたいという思いを新たにさせられます。
監視社会「生きにくい世界に絶対になって欲しくない」
また、リョウさんは、歴史の勉強に夢中になっていた時期があり、戦争中の話を交えながら、監視社会について語ってくれました。常に防犯カメラで監視されているともいえる現在の社会について、「それがあることで犯罪は減るし人間の行動は良い方に少しは向くかもしれないけど、戦前の日本を思い出してみると、政府や軍部が好ましくないと感じた人は憲兵隊によって連行されたり、政治警察によって監視対象にされたりといろいろ「見られている」って世界だったよね。『この世界の片隅で』っていう映画で、おっとりしてる主人公の女の子ですら海岸線のスケッチをしてただけでスパイだと憲兵隊に疑われて怒られたって場面があるくらい、監視社会だったんだよね」と戦時中の物語などのエピソードを混じえながら話してくれました。
監視社会のいい面と悪い面を踏まえた上で、生きにくい世界にならないようにちょうどいい「監視社会」を求めていることを強く感じました。
最後に
日常生活からSiriなどのAIと関わっているリョウさん、初めはAIにただポジティブな印象を持っているように見えました。しかし、全肯定するのではなくAIに人間が支配されるような社会も想像して恐怖を抱きながら、人間がAIを上手に活用していける、あくまで人間がAIの上に立つことのできる社会を望んでいることがインタビューを進めるうちに伝わってきました。
この記事を読んでまだまだ根強く残る差別や、戦争(監視社会)について改めて考えるきっかけとなっていただけたら幸いです。
AIとの上手な付き合い方を今から深く考え、2050年の世界がAIによって平等で平和にな社会になっていることを期待したいです。
